【畳】伝統的床材であり注意すべき規格寸法・敷き方の決まり事

和室といえば、畳を思い浮かべますね。最近では和室でもフローリングが敷かれている場合がありますが、伝統的に
いえば柔らかで過ごしやすい畳が一般的です。

でも、この「畳」について説明できる方は少ないでしょう。「灯台もと暗し」といった感じでしょうか。建築屋にとってもこの「畳」は簡単そうで難しい建築材料です。

今回はこの畳についてご紹介していきます。

畳の原型は「御床畳」である

畳の起源は、奈良時代までさかのぼり、「御床畳」(ゴショウノタタミ)が原型だと言われています。

畳が一般に普及したのは意外と最近で江戸時代中期の頃であるという説が有力的です。これは、町人だけのことで、地域に普及するのは明治維新ごろです。

イグサと呼ばれる畳の表になる材料が、野生のイグサを使っていましたが、計画的に栽培も始まりました。畳職人が登場するのもこの頃で現在の畳の構成ができあがってきました。明治時代には、畳のデザインに規制があった為普及はくれましたが、解除されると飛躍的に庶民に床材として発展していきました。これが現在形の畳といわれるものです。

その後更に改良が加えられ、畳床にポリスチレンフォームなどを使った科学畳が登場し断熱性・はっ水性、防ダニ性に優れた畳が開発されています。

最近では、畳にするとそれに付随する障子が部屋に付いていなければならず建設費の増額になるので建設費コストダウンのため和室があまり採用されなくなっています。「洋室にフローリングの床」これがハウスメーカーのパターンとなってしまいましたが、畳の感触をよく知っている方にとっては、1室は畳の敷いた部屋が欲しいものですよね。

ちなみに、部屋の大きさを相手に伝える場合に6帖とか8畳というように、日本人にとっては畳は部屋の大きさの目安になっています。

*「帖」は畳をベースにした大きさですが洋室の大きさ表示にこの漢字が使われます。同じ畳では洋室も畳敷き?となっているので便宜上分けています。面積でいえば1.62㎡以上と業界で決められています。この面積は、柱の中心線でできた四角形の面積を言い、壁の内側の面積をいうので注意が必要です。

畳の寸法

 

畳の大きさは、柱の中心線間隔から割り出した長さ1820mm奥行き910mmが基本です。しかしこの寸法が全国一律でないため、各地域の設計者は建築される地方の畳はどんな寸法なのか調べる必要が出てきます。

各地方の畳の寸法を下記に示します。

1.本間  長さ191cm  幅95.5cm  関西・中国・四国で主に使用される。

2.中京間 182cm 91cm  中京地区・東北・北陸の一部で主に使用される。

3.江戸間 176cm 88cm  名古屋より東部地方で主に使用される。この寸法が全国的に普及しています。

4.団地間 170cm 85cm  公団・公営団地に使用される。

5.その地域特有の寸法   琉球畳

このように寸法が変わると同じ6帖でも面積が違ってくる事になりますよね。ですから引っ越しをして別の地域に住む場合、特に木造ですが、家具がうまく配置できなかったり床にカーペットを敷こうと思ったのに寸法足らずあるいは余ってしまい切断する必要がでてきますので、不動産屋さんなどに確認するのがよいでしょう。

畳の敷き方

畳は、適当に敷かれているのではなく、伝統にのっとった敷き方をします。

上の図のように「祝儀敷き」「不祝儀敷き」の2種類があり、「祝儀敷き」は何か祝い事が合ったときに敷かれる方法で「不祝儀敷き」は葬式などの不幸があった時に敷かれる方法です。

でも旅館の大広間では「不祝儀敷き」が多いのですが、部屋が大変広いので6畳のような複雑な敷き方は無理があるといえるでしょう。

その方が縁に足を取られることも少なく酔客の取り扱いにはいいのではないでしょうか。

最近は、事あるごとに畳を敷きかえることがあまりないのでとりあえずは「祝儀敷き」にするのが無難と言えます。

上記の伝統的敷き方の中にも、合理的な点が多くあります。例えば下図のような場合です。

床の間のある部屋では畳の縁を床の間に対して直角に敷くと都合よくありません。

床の間の前の真ん中に縁がきてますね。これでは最も座るであろう床の間の真ん中に縁がある為正座しにくくなってしまうのです。飾った花や陶器、掛け軸などを観賞した後。その上座に畳の縁があると縁に座ってしまうことになります。

どの敷き方でも入り口に対して横になるように畳を敷くのが常識です。これらの点に注意してお金がなくてタタミ屋さんに敷き替えを頼めない場合、この知識を活かしましょう。

→足が進む方向
→畳の目の方向   一致していて歩きやすい。

琉球畳 910mm角  畳の目が90°になっている。市松敷きといいます。

畳のメンテナンス

畳の一般的メンテナンス方法を挙げてみます。

1.丸い形をした清掃ロボットを畳の清掃に使うと畳が荒れてしまう場合があります。ロボットのほうきの部分は、回転していて畳の目に沿って掃いてはくれません。それで畳の目が痛んでしまうのです。普通の掃除機を使うか、座敷ほうきを使う事をお薦めします。

2. 畳にカビが出てきた場合、中性洗剤を薄めて、ふきとり、アルコールで軽く拭くと表面のカビは消えます。畳の中にまでカビが発生している場合は、特有の匂いがし、ここまでくると畳の取り換えが必要です。

3.窓を閉め切り温度・湿度が高い部屋の畳は、内部にダニが潜むようになり刺されて痒い思いをすることもありますね。この場合、窓を開けて換気を促しさらに畳内部に防虫剤を噴霧できるタイプの商品を使って2週間ほど駆除をおこないます。

4.長い間家具を置いておき、ずらしてみたら家具の脚の後がクッキリと残っていてみっともない場合、スチームアイロンをかけて、ドライヤーなどでかわかすとほぼ元の状態に戻ります。

5.よくあるのが、タバコなどで焦げ目を作ってしまう場合です。ピックなどで焦げ目部分をかき揚げ漂白剤を塗って乾かし元に戻すといいでしょう。あまり焦げ目がひどいと、この方法は使えません。残念ながら畳の取り換えをお薦めします。

まとめ

「畳」は、日本人にとっては重要な伝統です。奈良時代から今日までのあらゆる英知が詰まり日本の気候風土に大変マッチした建材といえるでしょう。地方によって、その寸法が異なり、敷き方にも常識がある床材は中々ありません。

フローリングのように建設費の削減・施工性の向上をメインとした床材とは違う、温度湿度の調整能力・防音性・防燃性・防滑性を有していますが、なんといっても精神安定的効果のある香り!それが日本人の気持ちをつかんではなさないのだといえます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です