北海道のとある古い旅館にて体験した恐怖の一晩

これは私が5年ほど前に友人のAとBの3人で北海道旅行をした時の話です。

その旅行は2泊3日の予定で、夜遅くまであちこちを廻る予定を組んでおり、旅館に滞在する時間が短いだろうということもあり、安くて古い旅館に素泊まりで宿泊することにしていました。

初日に海鮮に舌鼓を打ち、上機嫌で旅館に帰り、チェックインの手続きをしていました。

「旅館というより民宿みたいな感じだね」なんて話しながら待っていると、女将さんが来られて、3階の部屋へと案内してくれました。部屋に入ると、素泊まりなこともあり、すでに布団が敷いてありました。少しゆっくりしていると、Aの顔色があまり良くないことに気づきました。

「飲みすぎたか?」と私が聞くと、「いや、ちょっとこの部屋の雰囲気が気持ち悪い。特にその押入れがすごく気になる。」と、Aは答えました。Bが「変なものが出てきたら嫌だから開けずに、さっさと寝てしまおう。」というので、寝ることにしました。

電気を消してどれくらい経ったでしょうか。

私は妙な足音が聞こえてくることに気づきました。スリッパで歩くような足音。しかもどうやら私たちの部屋のベランダから聞こえてきます。

この部屋は3階。泥棒だったら困るなと思い、1人で見に行って見ましたが、外には誰もいませんでした。また少しして、Aが起き上がり、私に声をかけました。「起きてるか?本格的に気持ち悪くなってきた。やっぱこの部屋おかしくないか?ちょっと俺、フロントに聞いてくるよ。」Aの様子が相当深刻な感じだったので、私とBもついていくことにしました。

深夜帯にも詰所には従業員がいたので従業員に、「ちょっとあの部屋が嫌な感じがするんですが、他の部屋っていま空いていませんか?」とAが聞きました。従業員は「ああ、押入れが気持ち悪いですか。申し訳ありませんが、今日はありがたいことに満室をいただいております。お酒をサービス致しますので、ゆっくりお休みになってください。」と言うのでした。

ここでおかしいことに気づきました。Aは一言も押入れが気持ち悪いなんて言ってないぞ…?

しかし、満室でもう夜中。どうすることも出来ませんからサービスしてもらったお酒を飲み、また寝ることにしました。

30分ほどたったころでしょうか。またベランダから今度は軽く走るような音が聞こえます。

気のせいだ気のせいだと言い聞かせ、布団にくるまり寝ようとしましたが、やはり寝付けません。もうしばらくすると、今度は女性の金切り声のような声が遠くから聞こえてきました。金切り声というのか、すすり泣く声というのか、聞きようによれば子守唄のようにも聞こえる奇妙な声でした。

AとBには聞こえているのかも分かりませんので、私は必死に恐怖に耐えていました。しかしその声は段々近づいてくるように感じます。

いますぐにここから逃げ出したい。我慢するのも限界に達するかといったその時Bが「こんな時間に変な女の子守唄が聞こえてるんだけどおれだけ?」と言いました。それを聞いて私とAは飛び起き、やっぱりみんな聞こえてたんだ。と余計に怖くなり、3人で荷物をまとめてもう一度、詰所に押しかけました。

従業員に今度は経緯を説明しました。すると従業員が「本当にすみません。普段はあの部屋は使ってないのですが、今日は満室ということもあり、開放したんです。

私がここに働きにくる前のことなので私もよく知らないんですが、あの部屋の押入れで昔何かあったみたいなんですよ。」という話をされました。

結局もうあの部屋に戻るのは嫌だったので、そのままロビーで毛布を借り、朝が来るのを待ち、その足で旅行を切り上げ帰路に着きました。

あの旅館のあの部屋の押入れには一体何があったのでしょうか。開けてたら一体なにがあったのでしょう。

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